就労継続支援B型事業所の概要|対象者からサービス内容までやさしく解説

障害のある方が自分のペースで働くことを支援する制度のひとつに「就労継続支援B型」があります。名前を聞いたことはあっても、どのような場所で、どんな支援を受けられるのか、分かりにくい部分もあるかもしれません。この記事では、就労継続支援B型事業所の概要をわかりやすく整理し、利用を検討されている方やそのご家族、支援員の方に役立つ情報をまとめます。


目次

就労継続支援B型事業所とは

就労継続支援B型事業所とは、障害や体調面の理由で一般企業にすぐ就職するのが難しい方に向けて、働く場と支援を提供する福祉サービスです。雇用契約を結ばずに利用でき、出勤日数や作業時間も柔軟に調整できます。そのため、長時間働くのが難しい方や、自分のペースで少しずつ社会参加をしたい方にとって安心できる選択肢となります。


対象となる人

就労継続支援B型の対象は、障害者手帳を持っている方や医師の診断書で利用の必要性が認められた方です。具体的には以下のような方が想定されています。

  • 一般就労を目指しているが、まだ体力やスキルが十分でない方
  • 障害や病気のため長時間の勤務が難しい方
  • 就労継続支援A型の利用が難しい方
  • 社会参加や生活リズムを整えることを目的としている方

「働きたい」という気持ちはあるけれど、すぐにフルタイムで働くのは難しい、という方をサポートする場として活用されています。


提供されるサービス内容

就労継続支援B型事業所では、働く練習や生活面のサポートを幅広く受けることができます。事業所ごとに特色はありますが、主な内容は次のとおりです。

作業内容の例

  • 軽作業(商品の袋詰め、シール貼りなど)
  • 内職作業(組み立て、検品など)
  • パソコンを使った入力作業やデザイン制作
  • 農作業や清掃など地域に根ざした仕事
  • ハンドメイド雑貨の制作や販売

訓練やサポート

  • 生活リズムを整えるための支援
  • 就職活動に向けた準備(履歴書作成や面接練習)
  • コミュニケーションスキルの練習
  • 作業を通じた集中力や持続力の向上

利用者の体調や目標に合わせて、無理のない範囲で活動できるのが特徴です。


工賃(給与)について

就労継続支援B型では雇用契約を結ばないため、受け取れるのは「給与」ではなく「工賃」と呼ばれます。全国平均では月1万5千円前後が目安ですが、事業所によって差があります。

項目B型事業所の工賃
全国平均約15,000円/月
地域差都市部や生産性の高い作業を行う事業所は高め
位置づけ工賃は生活費の中心ではなく、社会参加の一歩としての役割

経済的な自立を目的とするよりも、社会とのつながりを持つことや、少しずつ働く力を高めていくステップとして考えると分かりやすいです。


利用開始までの流れ

就労継続支援B型を利用するには、市区町村を通じた手続きが必要です。一般的な流れは以下のとおりです。

  1. 情報収集:気になる事業所を調べ、見学や体験利用を申し込む
  2. 相談支援事業所との面談:利用希望や困りごとを伝え、計画を作成
  3. 市区町村へ申請:受給者証の交付手続きを行う
  4. 利用契約:事業所と契約を結び、通所を開始

最初は見学や体験を通じて雰囲気を確かめることがおすすめです。


就労継続支援A型との違い

就労継続支援A型とB型はよく比較されますが、大きな違いは「雇用契約の有無」です。

項目A型B型
雇用契約ありなし
給与最低賃金が保証される工賃(少額)
働き方パートやアルバイトに近い自分のペースで通所
対象一般就労が難しいが一定の体力や能力がある方体調や障害の状態により雇用契約が難しい方

B型は体調や生活状況に合わせて柔軟に通えるため、よりハードルが低い支援制度といえます。


まとめ

就労継続支援B型事業所は、障害があっても自分のペースで働く経験を積める大切な場です。仕事内容は多岐にわたり、工賃は少額ですが、社会参加や自信の回復につながる大きな役割を果たしています。また、A型との違いを知ることで、自分に合った支援を選びやすくなります。


就労継続支援B型の利用を考えている方は、まず気になる事業所を見学してみることをおすすめします。実際の雰囲気や支援内容を体験することで、自分に合った場所を見つけやすくなります。働く一歩を踏み出すきっかけとして、就労継続支援B型を上手に活用してみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次