就労継続支援B型事業所の利用料や特徴をわかりやすく解説

障害をお持ちの方が、自分のペースで働きながらスキルを身につけられる場として「就労継続支援B型事業所」が注目されています。利用を考えるときに気になるのが「利用料はいくらかかるのか」という点です。また、サービスの内容や対象者、工賃の仕組みなども知っておきたい情報です。ここでは、就労継続支援B型について基本的なポイントをわかりやすくまとめました。


目次

就労継続支援B型事業所とは?

就労継続支援B型事業所(以下、B型事業所)とは、一般企業での就職が難しい方に、働く機会や就労訓練の場を提供する福祉サービスです。年齢や体力に関わらず、自分のペースで通所できるのが大きな特徴です。

  • 契約は雇用契約ではなく「利用契約」となる
  • 週に数回や短時間でも通える柔軟さがある
  • 作業を通じて社会参加や生活リズムを整えられる

このように「自分に合った働き方」で継続できる環境が整えられています。


対象となる人

B型事業所の対象者は次のような方です。

  • 障害者手帳を持っている方
  • 医師の診断書や意見書で利用が必要と認められた方
  • 年齢や就労経験に関わらず、一般就労が難しい方

高校を卒業したばかりの若い方から、高齢で再就労が難しい方まで幅広く利用できます。


提供されるサービス内容

B型事業所では、次のようなサービスが提供されます。

日常的な作業や仕事

  • 軽作業(内職、袋詰め、シール貼りなど)
  • パソコン業務(データ入力、デザイン作業など)
  • 農作業や手工芸品の制作
  • カフェや清掃など地域での作業

生活支援や相談

  • 生活リズムを整えるサポート
  • 健康管理や服薬の確認
  • 個別面談による相談支援

スキル習得

  • パソコンや事務作業の練習
  • コミュニケーションスキルの向上
  • 将来の就職に向けた訓練

工賃(給与)について

B型事業所では、作業の成果に応じて「工賃」が支払われます。工賃は給与とは異なり、あくまで作業に対する成果報酬です。

工賃の目安

  • 全国平均:約17,000円前後/月
  • 事業所によっては数千円〜数万円と差がある

工賃は生活費を支えるほどではありませんが、自己実現や社会参加のモチベーションにつながります。


利用料について

B型事業所を利用する際、多くの方が「利用料はどれくらいかかるのか」と心配されます。実際には次のような仕組みがあります。

利用料の基本

  • サービス利用料はかかるが、9割は自治体が負担
  • 利用者の自己負担は原則1割
  • 所得に応じて「月額上限額」が設定される

月額上限額の目安

世帯の所得区分自己負担上限(月額)
生活保護受給世帯0円
市町村民税非課税世帯0円
市町村民税課税世帯(所得割28万円未満)9,300円
上記以外の世帯37,200円

実際にはほとんどの利用者が「0円」で通っているケースも多いです。


利用開始までの流れ

B型事業所を利用するには、以下のようなステップがあります。

  1. 市区町村の障害福祉課に相談
  2. サービス利用の申請(障害福祉サービス受給者証を取得)
  3. 見学や体験利用で事業所を選ぶ
  4. 利用契約を締結し、通所開始

手続きは複雑に感じますが、事業所のスタッフや相談支援専門員がサポートしてくれます。


就労継続支援A型との違い

B型事業所とよく比較されるのが「就労継続支援A型」です。両者の違いを整理してみましょう。

項目A型B型
契約形態雇用契約利用契約
工賃最低賃金以上工賃(数千円〜数万円)
対象一定の勤務時間が可能な方体力や年齢的に難しい方も対象
働き方パート勤務に近い短時間や自分のペースで通所可

A型は「雇用」、B型は「訓練や作業体験」というイメージです。


まとめ

就労継続支援B型事業所は、障害をお持ちの方が無理なく社会参加できる大切な場所です。利用料は原則1割負担ですが、多くの方が0円で利用できます。工賃は生活費をまかなうほどではありませんが、自分らしく働き、仲間と関わり、スキルを磨く機会となります。

利用を検討する際は、市区町村の窓口や地域の相談支援事業所にまずは相談してみてください。見学や体験から始めると、自分に合った事業所を見つけやすくなります。

自分のペースで働く一歩を踏み出すために、就労継続支援B型事業所の利用を前向きに考えてみませんか。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次