就労継続支援B型事業所の利用料は有料?仕組みと利用の流れをわかりやすく解説

就労継続支援B型事業所は、障害や体調の状況により一般企業で働くことが難しい方に向けて、就労の機会や訓練を提供する福祉サービスです。利用を検討するときに気になるのが「利用料は有料なのか」「費用はどのくらいかかるのか」という点ではないでしょうか。本記事では、B型事業所の基本的な仕組みから利用料の考え方、サービス内容や工賃、利用までの流れをわかりやすく解説します。


目次

就労継続支援B型事業所とは?

就労継続支援B型は、障害福祉サービスのひとつです。年齢や体力、病状などの理由で、一般企業や雇用契約のある就労継続支援A型で働くことが難しい方を対象としています。特徴は「雇用契約を結ばず、自分のペースで通える」点です。無理なく作業や訓練を続けられるよう配慮されており、生活リズムを整える場や社会参加の場として利用される方も多くいます。


利用対象となる人

就労継続支援B型事業所の対象者は、以下のような方です。

  • 精神障害、発達障害、知的障害、身体障害などをお持ちの方
  • 年齢や体力的な理由から就労継続支援A型や一般就労が難しい方
  • 医師の診断や自治体の判断で利用が適していると認められた方

障害者手帳を持っている人が多いですが、必ずしも所持が条件ではなく、医師の診断書などで利用可能な場合もあります。


就労継続支援B型のサービス内容

B型事業所では、さまざまな作業や訓練が提供されています。具体的な内容は事業所によって異なりますが、代表的な例は次のとおりです。

  • パソコンを使った事務作業(データ入力、文書作成など)
  • 軽作業(商品の袋詰め、シール貼り、内職作業など)
  • 農作業や清掃作業
  • ハンドメイド雑貨や食品加工などの自主製品作り

また、仕事だけでなく生活支援や相談支援も受けられます。食事や生活リズムに関する相談、将来の就労に向けたステップアップ支援なども行われています。


利用料は有料?制度の仕組み

利用料の考え方

就労継続支援B型事業所の利用料は「有料」となっていますが、多くの方は公費による補助を受けられるため、実際の自己負担は少額または無料になることがあります。基本的な仕組みは以下の通りです。

  • サービス費用の9割は国や自治体が負担
  • 利用者は原則として1割を自己負担

ただし、所得や世帯の収入状況に応じて「月額の上限額」が設定されており、無理のない範囲で利用できるよう配慮されています。

自己負担上限額の目安

世帯の収入区分月額上限額
生活保護世帯0円
市町村民税非課税世帯0円
一般世帯(収入が一定以下)9,300円
一般世帯(高所得)37,200円

この仕組みにより、実際には「利用料が無料で利用できる人」も多く存在します。


工賃(給与)について

B型事業所では雇用契約を結ばないため「給与」ではなく「工賃」という形で収入を得ます。工賃は作業内容や事業所の収益によって異なりますが、全国平均では月額数千円から数万円程度となっています。目安としては以下のような金額です。

  • 全国平均:約17,000円前後/月
  • 地域や事業所によって数千円~数万円と差がある

工賃は生活費をまかなうほど高くはありませんが、作業の成果が形として返ってくるため、やりがいや社会参加の意識につながる大切な仕組みです。


利用開始までの流れ

B型事業所を利用するには、以下のような手続きが必要です。

  1. 相談支援事業所や役所で相談
    利用の希望を伝え、制度や手続きの説明を受けます。
  2. 医師の診断書や意見書の準備
    障害や体調についての書類が必要となる場合があります。
  3. サービス等利用計画の作成
    相談支援専門員と一緒に、どのような支援が必要か計画を立てます。
  4. 自治体に申請し、受給者証を発行
    この受給者証があることで、事業所を正式に利用できます。
  5. 事業所との契約・利用開始
    実際の作業体験や見学を経て、契約して通所が始まります。

A型事業所との違い

就労継続支援にはA型とB型があります。両者の大きな違いは「雇用契約の有無」と「働き方の柔軟さ」です。

項目A型事業所B型事業所
雇用契約あり(労働法に基づく)なし
給与最低賃金以上が保障工賃として支給(数千円~数万円)
働き方シフト制や出勤日が決まっている自分の体調に合わせて柔軟に通える
対象者一定の就労能力がある人体力や年齢、障害特性で一般就労が難しい人

B型は無理なく自分のペースで働けるため、社会参加の第一歩として選ばれることが多いです。


まとめ

就労継続支援B型事業所は、障害や体調の事情で一般就労が難しい方に安心して働ける環境を提供する場です。利用料は有料とされていますが、公費負担や上限額制度により多くの方は無料、あるいは少額で利用できます。作業を通じて社会とのつながりを持ち、生活リズムを整えられるのも大きな魅力です。

利用を考える際は、まずお住まいの自治体や相談支援事業所に相談してみると安心です。見学や体験を通じて事業所の雰囲気を知ることで、より自分に合った選択ができるでしょう。就労継続支援B型を活用して、新しい一歩を踏み出してみませんか。

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