幸運の象徴として知られるクローバー。いつの時代でも人々は四つ葉に願いを込めて、それを癒やしや勇気に変えてきました。
京都にある就労継続支援B型作業所ワークスペースクローバーでは、切り絵というアートを通じてクローバーの美しさを表現する活動を行っています。
クローバーの切り絵は、見た目の美しさはもちろん素敵ですが、制作過程で得られる癒しや達成感も魅力的です。
本記事では、切り絵が障害福祉の現場でどのように活用され、どのような影響をもたらしているのか。また、クローバーの魅力をたっぷりと紹介します。
切り絵とは何か?切り絵の歴史と文化を知ろう!
切り絵(きりえ)とは、紙を切り抜いて模様や絵を作る芸術・技法のことです。
紙を鋭いナイフやハサミで切り取ることで、模様や風景、動物などを表現します。単純な形から複雑な図形まで、多種多様な形をデザインすることができます。
また、切り絵の技法やスタイルは実に多様で、伝統的なものもあれば、近年では葉っぱを素材にした現代アートまで幅広く展開されています。
切り絵の歴史
切り絵の起源は非常に古く、発祥地であるインドからシルクロードを通りヨーロッパ・中国へ、中国から日本へは仏教とともに伝わってきたそうです。
中国では、子孫繁栄を願うものや縁起物として干支や神獣をかたどったものが制作され、中国の伝統的な紙細工として発展しました。
日本では、奈良時代より神道の儀式で用いられるなど、神聖なものとして扱われました。ハサミが普及する江戸時代に入ると庶民の間にも広がりをみせたようです。
日本の文化との調和
日本では、祭りや日常生活の装飾として切り絵が親しまれ、現代においても、幼児期の知育や学校の美術教育などで取り組まれています。
使用する素材としては和紙が重宝されてきました。
和紙は柔軟性と強度が程よく、細かなデザインを作るのに適しているとともに、切り絵の芸術性を一層引き立ててくれます。
日本における切り絵の文化としては、染物の型紙「型友禅」、寄席での「紙切り芸」などがあり、江戸時代には一般庶民にも親しまれていることがわかります。
江戸時代の切り絵の庶民文化
江戸時代には、切り絵は娯楽として広まりました。
庶民が楽しむ寄席(よせ)では、紙切り芸という切り絵の即興パフォーマンスが人気を博し、伝統芸能として発展します。
このように、切り絵は装飾やアートとしてだけでなく、庶民の生活や文化と深く結びついているのです。
ワークスペースクローバーで切り絵に取り組む理由とは!?
就労継続支援B型作業所ワークスペースクローバーでは、作業の一環としてクローバーの切り絵を制作しています。
クローバーは見た目にも美しく、クローバーそのものにも豊かな意味合いがあることから、切り絵のモチーフとしては最適です。
障害者支援施設として、クローバーをテーマにすることで作品に込めるメッセージをより視覚的に訴えることができます。
作業の様子はこちら
作業として切り絵に取り組む理由としては、以下のようなものがあります。
- 心身の健康維持
- 就労支援としての技能訓練
- 日常生活の質の向上
技能訓練と心身の健康は密接に繋がっています。それでは、詳しく見ていきましょう。
切り絵がもたらす心身の健康と技能
切り絵は、作業として取り組むことで心と体に健康効果をもたらします。
細かな作業に集中することで、日常のストレスから一時的に解放され、瞑想と同じようなリラクゼーション効果が得られるのです。
また、手を主に使用しますので、器用さが必要とされます。指先の運動としての効果が期待できるだけでなく、リハビリテーションとしても十分に機能します。
手先・指先の運動、注意力が必要な作業を繰り返すことは、脳にとってもよい影響を与えてくれますので、心身の健康を得るとともに、技能の向上が可能となるわけです。
クローバーの切り絵がコミュニケーションの架け橋に
ここまで、切り絵を個々の創作活動として解説しましたが、コミュニケーションを促進する手段としても有効です。
グループで切り絵を制作する場合、互いにアイデアを出し合ったり、出来上がった切り絵を持ち寄って1つの作品として完成させるなど、協力や共同作業の機会を増やすことができます。
障害を抱える方はコミュニケーションが苦手な方も多く、難しい課題の1つでもあります。
共通の作業、興味をもつことは、コミュニティの形成に役立ちますし、新たな友人をもつことで社会的な繋がりにもなるのです。
幸福や希望といったイメージをもつクローバーをきっかけに、コミュニケーションが生まれることは大変喜ばしいことです。
ワークスペースクローバーでのクローバー切り絵作業は、ただの作業・アートではなく、共感やコミュニティを生み出す架け橋として、利用者の方々に幸福を届けるものとなっています。
さいごに|クローバーの魅力と切り絵のタッグは就労支援にピッタリ!
今回は、京都にある就労継続支援B型作業所ワークスペースで取り組まれているクローバの切り絵作業について、切り絵の歴史と文化を伝えるとともに、クローバーのもつ魅力を紹介しました。
切り絵は伝統的なものだけでなく、様々な形式で生活と密着しており、近代アートとしても利用される身近なものです。
作業として切り絵に取り組むことで、心身の健康やコミュニケーションのきっかけにもなるため、障害福祉の現場では積極的に取り組んでみてもよいものです。
心の安らぎと達成感をもたらしてくれる【クローバーの切り絵】。あなたもぜひ取り組んでみてはいかがでしょうか?
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