日常生活を送っていると、いろいろなところでアニメーションを見かけますよね。
例えば映画やテレビ番組、YouTubeの広告だったり、ゲームだったりと日常の中にあふれています。
本記事では、そんなアニメーションの制作作業が、就労継続支援B型作業所でどのように行われているのかをお伝えします。
就労継続支援B型作業所では、障害を抱える方たちが自分らしく活動を続け、さまざまな仕事に取り組んでいます。
アニメーション制作作業もそのひとつです。
就労継続支援B型作業所でのアニメーション制作がどんなものなのか、どのようにクリエーターを育てているのか、ぜひ参考にしてください。
就労継続支援B型作業所でのアニメーション制作とは?作業内容や活用するソフトウェアなども紹介!
そもそも、アニメーション制作とは一体どのような作業なのでしょうか。
一言で伝えるならば、アニメーション制作は「物語を動きで表現する」作業です。
就労継続支援B型作業所では、アニメーション制作を通じて利用者の皆さんが自分のアイデアを形にするためのサポートを行っています。
作業内容としては、日々の画力訓練、クライアントからの依頼に合わせた原画・絵コンテの納品、動画編集など、アニメーションに必要な全行程を行います。
では、具体的にどのような作業が行われているのか、アニメーション制作の過程と、使用するツールや技術について詳しく見ていきましょう。
アニメーション制作過程
アニメーションを1から作る場合、まずはアイデアを出して絵コンテ(ストーリーボード)を作ります。
そこから、キャラクターや背景のデザイン、アニメーションの作成という工程を踏みます。
先にキャラクターを立ててしまっても大丈夫です。
それぞれの工程では、利用者の皆さんに自分のアイデアを形にする楽しさを味わってもらえます。
下記におおまかな流れをまとめました。
- アイデア出し:構成を考える
- 絵コンテ:作品のだいたいのストーリーを絵や文字にする
- キャラクターデザイン:キャラクターの見た目や動きなどを考える
- アニメーション制作:キャラクターに動きをつけていく
- 編集:最終的に1つの映像へとまとめていきます
クライアントからの依頼で制作する場合はこの限りではありません。
クライアントの意向を尊重して制作に取り掛かります。
使用するツールや技術
アニメーション制作には、さまざまなツールや技術が使用されています。
それぞれが特定の目的に合わせて設計され、それらを組み合わせることでアニメーションは生まれます。
以下に、主に使用されるツールと技術を紹介します。
- グラフィックソフト
- アニメーションソフト
- 3Dモデリングソフト
- 映像表現技法
それぞれ見ていきましょう。
グラフィックソフト
グラフィックソフトウェアは、デジタルイラストやデザインを作成するためのツールです。
代表的なものにAdobe PhotoshopやIllustrator、CLIP STUDIO PAINTなどがあります。
特にCLIP STUDIO PAINTでは、アニメーション制作におけるほとんどの作業が行えます。
ちなみに弊社、就労継続支援B型作業所「ワークスペースクローバー」では、CLIP STUDIO PAINT PROを使用しています。
アニメーションソフト
アニメーションソフトウェアは、作成したデザインを動かすためのツールです。
有名なものでは、Adobe AnimateやToon Boom Harmonyなどがあります。
Harmonyは、2Dと3Dを組み合わせたアニメーション制作も可能です。
3Dモデリングソフト
3Dモデリングソフトウェアは、3次元のキャラクターや背景を作成するためのツールです。
BlenderやMayaといったソフトが有名です。
これらのソフトウェアを使えば、リアルな3Dキャラクターや背景を作成することができます。
映像表現技法
映像表現技法は、アニメーションを作る際に使用するさまざまな手法のことを指します。
1コマ1コマを繋げて映像にするフレームバイフレーム。ソフトウェアを使用した3DCGアニメーション、モーショングラフィックスなどがあります。
これらの技法で、さまざまなスタイルと表現のアニメーションを作成することが可能です。
就労継続支援B型作業所でクリエーターを育てるための取り組みについて!
就労継続支援B型の作業所では、アニメーション制作を通じて未来のクリエーターを育てるための取り組みが行われています。
アニメーション制作の基本から応用までを学べるよう、個人個人にあった教育プログラムを提案し、利用者は自分のペースを大切にしつつスキルを磨くことが可能です。
また、経験豊富な作業支援員がサポートにあたり、困ったときや新しいことに挑戦したいときには、適切なアドバイスや指導を行います。
これらの取り組みによって、利用者は自分のアイデアを形にする喜びを感じてもらいながら、クリエーターとしての成長を遂げることができます。
共に学ぼう!就労継続支援B型作業所の教育プログラム
就労継続支援B型作業所では、アニメーション制作の全行程をカバーする教育プログラムに取り組んでいます。
具体的な学習の流れと、使用するツールの利用法について説明していきます。
- 基本的な画力訓練
- ソフトウェアの操作
- 原画・絵コンテの作成
- 動画編集
おおまかには上記の流れでアニメーションについての知識や技術を高めていきます。
①基本的な画力訓練
線画、筋肉や骨の形状、色彩、陰影など、アニメーション制作に欠かせない基本的な技術を学んでいきます。
ですが初めのうちはあれこれと考えず、楽しみをもってイラストを描くことを大切にしてもらいたいと考えています。
イラストを描くことを継続し、自分の絵の魅力を追求していくために技術を得ていくことを目標にするとよいでしょう。
②ソフトウェアの操作
現代のアニメーション制作にはソフトウェアの使用が欠かせません。アニメーション制作に使用するソフトウェアは先に紹介したとおりです。
ワークスペースクローバーでは、CLIP STUDIO PAINT PROの使用方法に慣れてもらいながら、画力向上に並行して取り組んでいただきます。
③原画・絵コンテの作成
クライアントからの依頼があった場合、または自身で案件を獲得した場合、まずは自分にどの程度の画力があるかを伝え、どのようなストーリーの提案ができるかが大切になります。
仕事を依頼されたつもりで原画や絵コンテの作成を行っていきましょう。これが実際に仕事をいただく際、ポートフォリオとして活きてきます。
ポートフォリオとは、自分の作品をまとめた作品集と考えてください。
④動画編集
作成した原画や絵コンテを元に、実際にアニメーションを制作していきます。この動画編集のスキルだけでも仕事を受けることができるほどの技術です。
CLIP STUDIO PAINT PROでは、パラパラ漫画の要領で絵を描いていき、それを1つの動画にするイメージです。
タイムラインを再生して動きを確認し、満足のいく形になるまで調整していきます。
一緒に成長しよう!作業支援員のサポート体制
就労継続支援B型作業所では、利用者がアニメーション制作のスキルを習得できるように、経験豊富な作業支援員がサポートします。
作業支援員は、利用者一人ひとりのレベルや目標に合わせた指導を行い、アニメーション制作を通して皆さんのクリエーターとしての成長を促します。
具体的なサポート体制は以下の通りです。
個別指導 | 一人ひとりのレベルや目標に合わせ、利用者に寄り添った指導を行います。 |
技術指導 | アニメーション制作の豊富な経験を活かし、必要となる技術を指導します。 |
制作サポート | 作品作りにおけるアイデア出しや構成、制作方法などの相談・サポート。 |
就労支援 | 就職や独立、フリーランスとしての活動に関する支援も行います。 |
作業支援員は、皆さんにとって良き理解者であり、あなたの成長を支える存在です。
ワークスペースクローバーでは、利用者と作業支援員が共に成長していくことで、より質の高い作品作りと支援体制の向上を目指しています。
クリエーター育成を通じた障害者支援について
就労継続支援B型作業所でのアニメーション制作作業は、技術を学ぶだけでなく、クリエーター育成と障害者支援が一体となった取り組みです。
障害を持つ方々がデジタルアートや動画編集、3Dモデリングなどのスキルを身につけることで、表現の幅が増え、自分の世界を広げることができます。
例えば、Adobe PhotoshopやCLIP STUDIO PAINTなどを使用したプロ顔負けのアニメーションを制作が可能となり、将来の就労のチャンスを広げることができるようになります。
さらに、クリエイティブな活動を通じて、自己肯定感や達成感を得ることができます。
就労継続支援B型作業所は、障害によって生きづらさを抱えるなど、様々な方が利用しています。
そんな中で成功体験や感想を共有することは、他の利用者の方にも希望と勇気を与えることにも繋がっていくことでしょう。
クリエーター育成と障害者支援の融合は、障害者支援の新しい形として注目されており、障害を抱えるたくさんの方々にとって有益なものです。
アニメーション制作の将来ビジョン!就労継続支援B型作業所での学びが仕事になるまで!
就労継続支援B型作業所で学ぶアニメーション制作は、将来のキャリア形成にも繋がります。
就労継続支援B型作業所で培ったスキルがどのような仕事に活かせるのか、アニメーション業界の今を伝えるとともに、将来ビジョンについて紹介します。
アニメーション業界の今
日本のアニメーション業界は世界的にも人気が高まっており、近年の映画興行収入ランキング上位を日本のアニメが独占したことも話題になりました。
しかしその裏で問題となっているのが、アニメーション制作における深刻なクリエーター不足です。
特に2Dアニメーションや3DCGアニメーションの需要は急増しており、制作スキルを持つ優秀なクリエーターは各企業で取り合いともなっています。
文化庁でもアニメーション人材の育成には力をいれており、日本が有するアニメ文化の更なる発展を目指しています。
就労継続支援B型作業所で培ったアニメーションスキルを活かせる仕事
就労継続支援B型作業所では、アニメーション制作における基礎的スキルから高度な技術まで、幅広く学ぶことができることをお伝えしてきました。
培ったスキルは、アニメーション制作会社をはじめ、クリエーターとして多様な業界で活かすことができます。
以下に、具体的な仕事例を紹介します。
- アニメーター
- イラストレーター
- 動画編集者
- 3DCGクリエイター
- ゲームクリエイター
- Webデザイナー など
これらの仕事はほんの一例です。あなたのやる気と努力次第で、クリエーターとしての道はどこまでも広がっていくことを覚えておいてください。
さいごに|アニメーション制作の仕事をお探しなら就労継続支援B型作業所ワークスペースクローバーへ!
本記事では、就労継続支援B型作業所でのアニメーション制作と、その中でクリエーターを育てるための取り組みについて詳しく紹介してきました。
事業所の取り組みでは、技術的なスキルの習得だけでなく、自分のアイデアをどう表現するか、クリエーターとしての視点を育てるための支援を行っています。
アニメーション制作の仕事をお探しの方、または新たな挑戦をしたいと考えている方は、ぜひ気軽に就労移行支援B型作業所を訪れてみてください。
あなたのアイデアが、次の素晴らしいアニメーションになるかもしれません。
京都府京都市内にお住いの障害者手帳をお持ちの方でアニメーション制作に興味のある方はぜひ、下記の入力フォームから就労継続支援B型作業所ワークスペースクローバーまでお問い合わせください。
【コンテンツ制作者】
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