みなさんは就労継続支援B型作業所というものをご存知でしょうか。
ここは、障害を持つ方々が働くための場所です。
就労継続支援B型作業所では内職をはじめ、施設ごとに特色あるさまざまな仕事に取り組んでいます。
ときには働く場所として、ときには仕事仲間との交流の場として、障がいや病気に悩む人たちの支えとなっています。
本記事では、就労継続支援B型作業所での内職事情について、そのメリットや生産性を確保する仕組みについても触れていきます。
施設利用を検討している方、家族に障害をお持ちの方、今のお仕事に悩みのある方など、就労継続支援B型作業所での内職作業が自分にぴったりかどうか判断する参考にしてください。
就労継続支援B型作業所は誰でも利用できる?内職に関連した気になる疑問を解決!
就労継続支援B型作業所は、障害や病気があり一般の企業で働くことが困難、または不安な方を対象にしています。
「障害があるから働けない…」と諦めずに、社会参加を目指してみませんか。
もちろん、就労継続支援B型事業所「ワークスペースクローバー」でも内職の作業を仕事として取り入れています。
作業所で働く方々の障害の種類や程度はさまざまです。
身体的な障害から精神障害、知的障害の方まで、実に幅広い方々が利用しています。
原則として年齢制限もありません。
若い方から高齢の方まで多様な人が集まる場所です。
ただし、利用するためには一定の手続きが必要です。
まずは障害者手帳を取得し、それをもとに市区町村から受給者証を得る必要があります。
そのうえで、作業所と面接を行い利用契約を結ぶことで利用が開始されます。
これらの手続きを経て、就労継続支援B型作業所での仕事が始まります。
自分のペースで働くことができるから、無理なく働きたい方にもピッタリです。
さらに、内職などの軽作業でも安定した仕事量があるので、安心して働くことができます。
就労継続支援B型作業所で内職する理由!内職のもつ魅力とは?
就労継続支援B型作業所で内職に取り組む理由はなんでしょうか。
そもそも内職にはどんな魅力があるのでしょうか。
一般的な内職と言えば、自宅で1人でコツコツとこなす在宅ワークというイメージがありますよね。
メリットとしては自分のペースで取り組めることです。
そんな1人でもできる内職という仕事を就労継続支援B型作業所では複数人で行います。
これは自宅で副業するのとは全く違った経験を得ることができます。
まず、複数人で作業を行うことでコミュニケーションを取りながら働くことができます。
これは、障害を抱える方たちの社会参加の一環としても非常に重要な要素です。
障害をもっているということをマイナスイメージとして捉えて自分を見てしまい始めると、精神衛生的にも悪影響があり、うつなどの2次障害につながるおそれがあります。
同じように悩みを抱える方々と、仲間として一緒に働くことはストレスの緩和にもなりますし、自分を肯定するきっかけにもなります。
それでいて、自分のペースを大切にしながら働けることと、福祉施設ならではの安定した仕事量も大きな魅力です。
下記では、より詳しく解説していきます。
自分のペースで働ける自由さ
就労継続支援B型作業所での内職の仕事では、本人が望まない仕事や無理をさせてまで働いてもらうことはありません。
それぞれが抱える障害の特性を考慮し、本人の希望を1番に尊重します。
ですので、自分の体調や能力に合わせて無理なく働くことが可能です。
自分ひとりで内職をしていたとすると、納期までになんとしてでも仕事を終える必要があります。こうなってくると軽作業とは言えないですね。
しかし、施設で働くことによって複数人で同じ仕事に取り組みます。
支えたり、支えられたりを経験しながらも、自分の体調を優先して取り組める自由さこそが、就労継続支援B型作業所で内職を行う理由のひとつとなります。
安定した仕事量
就労継続支援B型作業所に依頼のくる内職は安定した仕事量があります。
これは、複数人で取り組むことを前提にしているからです。
つまり、ひとりだけでは難しい大きな仕事もみんなで協力すればスムーズに進めることができます。
これによって、安定した仕事量と収入を得ることが可能になります。
さらに、企業側も福祉施設に仕事を依頼することで社会貢献ができるというメリットがあります。
企業は社会貢献活動の一環として、就労継続支援B型作業所などの福祉施設に仕事を依頼することがあります。
そうすることで、福祉的就労支援に協力するという形で地域からの信頼や信用を得られます。
特に地域との関わりを大切にしたい業種であれば大きなメリットとなるでしょう。
このように、就労継続支援B型作業所での内職は企業に支えられ、また企業のブランドイメージを下支えする形でお互いにメリットを生み出しています。
生産性が確保される仕組みとは?就労継続支援B型作業所の内職事情を解説!
就労継続支援B型作業所で行う内職の魅力のひとつは、高い生産性を確保する仕組みがあることです。
これは、工場のレーン作業をイメージするとわかりやすいかもしれません。
全体の作業を小さな作業に分け、それぞれを複数人で取り組むことで、高い生産性を実現しています。
下記では、具体例を交えながら解説していきます。
役割分担で取り組める
就労継続支援B型作業所では、さまざまな障害や病気を抱える方たちが働いています。
ここでの内職作業は、一人ひとりの特性を活かし、全員で協力した役割分担で取り組むことで高い生産性を実現します。
品物の袋詰め作業を例に考えてみましょう。
この仕事をひとりで行うとすれば、下記のような手順が必要となります。
- 品物を箱から取り出す
- 検品
- 袋詰め
- シール貼り
- 封をする
- 箱詰め
内容は品によって異なりますが、おおまかには同様の流れです。
この内職の流れを複数人で取り組むと次のようなイメージになります。
- 品物を取り出す担当:1人
- 検品する担当:3人
- 袋詰めする担当:3人
- シール貼りする担当:3人
- 封をする担当:3人
- 箱詰めする担当:1人
人数はあくまでイメージですが、このように仕事を割り振ることで、一人ひとりが自分の担当する作業に集中することができます。
いかがでしょう。一つひとつの作業に分けて見れば、簡単な手作業となります。
さらに、特定の作業だけを行うことで、ミスを減らすこともでき、全体的な作業効率は向上。
これが、就労継続支援B型作業所での内職の強味です。
最終確認は作業支援員が行う
就労継続支援B型作業所では、障害を抱える方でも安心して仕事に取り組んでもらえるように、注意が必要な作業工程では職業指導員が近くで一緒に取り組みます。
また、最終確認も職業指導員が行います。
特に、最終的な品質チェックは細部まで気を配る必要があり、ひとりで行うとなるとプレッシャーも大きいものです。
就労継続支援B型作業所では、その最終確認を職業支援員が行う、または一緒に取り組みます。
このようにして、単価の低い内職作業であっても生産性を高めることが可能となるのです。
また、仕事中に何か疑問点や困ったことがあれば、すぐに職業指導員に相談することもできる点も1人で行う内職とは決定的に違う大きな特徴のひとつです。
生産性を確保するためには休息も重要
生産性を高めることは事業として行う以上必要な課題ですが、障害やさまざまな特性を抱える方にとって、無理をすることはあまりよいこととは言えないでしょう。
適度な休息こそが、生産性を確保するためにも重要なことです。
例えば、ポモドーロ・テクニックを活用して、25分作業して5分休憩するサイクルを繰り返すことで、仕事にメリハリが生まれ、生産性の向上が可能です。
「この25分で、どこどこまで作業しよう」など、作業を細かくしていくことで余計な気がかりをなくし、ストレスの少ない状態にもっていきます。
キッチンタイマーを準備するだけなので、簡単に取り入れることが可能です。
また、就労継続支援B型の施設ではリラクゼーションの一環として、遠足や外食などのイベントを取り入れています。
これらの余暇活動は、利用者の心身の健康を保つとともに、仲間との交流を深めるよい機会です。
心と体の声に耳を傾け、適切な健康管理と休息を取り入れることで、長期的にみて高い生産性を維持していくことが可能となるのです。
就労継続支援B型作業所での内職への取り組み!本当に誰でもできるの?
就労継続支援B型作業所での内職は、どのような障害や特性のある方でも取り組むことができます。
これは、作業所が「ノーマライゼーション」の理念を持って取り組んでいるからです。
つまり、障害の有無や年齢に関係なく、すべての人が平等に参加できる社会を目指しています。
高齢者や障害者に対する配慮はしっかりと行われていますし、作業はそれぞれの能力に合わせて調整され、随時必要なサポートを行います。
このような配慮によって、誰でも安心して内職に取り組むことができる体制を整えられているのです。
では、具体的にどのような配慮が行われているのか、詳しく見ていきましょう。
年齢や体力に関係なく取り組める
就労継続支援B型作業所では、年齢や体力に関係なく誰でも取り組むことができる配慮が行われます。
例えば、施設の利用を週に1、2回から始めていくことができます。
もしくは半日のみの利用も可能です。
そうすることで、無理なく長期的に働くことを可能にします。
内職作業は立ち作業、座り作業どちらにも対応できるように作業スペースを調整。一人ひとりの体力や健康状態に合わせた働き方が可能です。
また、作業量の分配は支援員側で行います。そうすることで無理なく適切な作業量で働くことを目指します。
このように、就労継続支援B型作業所では、年齢や体力に関係なく誰でも内職に取り組むことができるよう、一人ひとりに合わせた環境づくりを目指します。
障害や病気の程度に合わせて働ける
就労継続支援B型作業所では、障害や病気の程度に合わせた作業環境づくりも行われています。
障害の程度によっては特定の作業が難しい場合があります。
また、大人数が同室にいる環境が苦手な方もいます。
このような一人ひとりの特性に合わせた配慮を行います。
例えば、前項で紹介した袋詰めを例に、袋を開けて商品をつめることが苦手な方に作業してもらうことを考えてみてください。
袋のなかに商品をきれいに入れられるよう、じょうごのような補助具があれば作業しやすくなります。
障害の程度に合わせ、補助具を袋に設置する担当を作ってしまってもよいでしょう。
このように、単純にできることだけをしてもらうのではなく、一人ひとりのために特別な準備をする。そうすることで、みんなと同じ仕事を達成する喜びも生まれます。
実際に行われている内職の内容は?就労継続支援B型作業所の取り組みを紹介!
就労継続支援B型作業所で実際に取り組まれている内職の種類は、取引先である企業の数だけあるといってもいいでしょう。
ですが、ある程度の内容は似通った部分がありますので紹介していきます。
就労継続支援B型作業所での内職や軽作業は以下のようなものがあります。
- 品物の袋詰めまたは箱詰め・シール貼り
- 品物の仕分け・選別
- 品物の製作
細かなことを言い出せば、ちょっとした仕事は全て内職や軽作業と言い換えることができてしまうので、具体的な例として3つにまとめました。
それでは、それぞれを見ていきましょう。
品物の袋詰めまたは箱詰め・シール貼り
品物の袋詰め(箱詰め)は、まず企業に商品を取りに行くことから始まります。(場合によっては郵送されることもあります)
その後、商品をチェックして異常がなければ、既定の詰め方で詰めていきます。箱詰めの場合は箱折りからです。
必要であればシールを貼って完成です。最後は箱に詰めて企業に納品します。
肝心の商品ですが、こちらが企業によって内容が大きく違う部分となっています。
食品であったり、衣服であったりとさまざまです。食品であればいくつずつ詰めるとか、衣服であればたたみ方に決まりがあるなど、規定もそれぞれ違いますので注意が必要です。
参考として仕事内容を挙げておきます。
- お茶パック詰め
- コーヒー豆の計り詰め
- 衣服の袋詰め
- 生活グッズの袋詰め など
品物の仕分け・選別
品物の仕分けや選別は主に目を使う仕事となります。
例えばシイタケの選別という仕事があったならば、見本に合わせてランク分けをしていくことになります。
この仕分け・選別といった仕事も食品や加工物など多くの種類が存在し、多少体力を使うものもありますが、そのほとんどは軽作業です。
参考として仕事内容を挙げていきます。
- コーヒー豆の選別
- 野菜の選別
- 工業用品の品質選別
- リサイクル品の判別 など
品物の製作
品物の製作とは、原料に手を加えて製品にすることです。この仕事は細かな手作業が多く、難しい作業が含まれる場合があります。
具体的には、ビーズや天然石などのパーツをつなぎ合わせてアクセサリーを製作したり、裁断された衣服のパーツをミシンで繋ぎ合わせるといったものがあります。
制作する商品には以下のようなものが例として挙げられます。
- アクセサリー製作
- ミシン縫製
- ポケットティッシュの広告入れ
- 封筒への広告封入
- 部品組み立て
このようにたくさんの種類があります、ミシンなどは道具と技術がないとできない作業ですね。ですが、全体的に手作業が好きな方にはもってこいの仕事ではないでしょうか。
また、神社の破魔矢制作といったなかなか見ることのない珍しい作業があったりもします。
ワークスペースクローバーで取り組んでいる内職作業を紹介!
ここまで、就労継続支援B型作業所で取り組まれる内職についてまとめてきましたが、ここからはワークスペースクローバーで実際に取り組んでいる内職を紹介します。
私たちワークスペースクローバーでは、利用者の皆さんが内に秘める能力を最大限に活かすことできるよう、たくさんの内職を準備しています。
- チラシ折り
- ビス打ち
- 箱折り
- ラベル貼り・梱包
- 組み立て
これら内職のお仕事は、みなさんが働くことに楽しみをもってもらいつつ、一人ひとりの可能性を広げることを目的にしています。
それでは、それぞれの仕事内容について紹介していきますね。
【チラシ折り】
自社のチラシや、取引先のチラシを折ってもらうお仕事です。
【ビス打ち】
冷蔵庫の基盤にビスを打つお仕事。ビスの準備からしてもらいます。
【箱折り】
線香やお菓子の箱折りをしてもらいます。
【ラベル貼り・梱包】
冷水香のラベル貼りや袋への梱包を行います。
【組み立て】
反射鏡の組み立てをするお仕事です。
さいごに|就労継続支援B型作業所で内職をお探しならワークスペースクローバーへ!
本記事では、就労継続支援B型作業所での内職の魅力とその取り組みについて詳しく解説してきました。
年齢や体力に関係なく、障害や病気の程度に合わせて誰でも取り組める環境を整える。ノーマライゼーションという理念こそが就労継続支援B型作業所での内職の魅力です。
今のお仕事に悩みがあったり、働けるか不安がある方はぜひ、お近くの就労継続支援B型作業所を見学してみてください。
京都府京都市内にお住いの障害者手帳をお持ちの方で内職の作業に興味のある方はぜひ、下記の入力フォームから就労継続支援B型作業所ワークスペースクローバーまでお問い合わせください。
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