今回は、社会問題として注目されている「引きこもり」について、そしてその解決策のひとつでもある「就労継続支援B型作業所」での取り組みについて解説していきます。
引きこもりの方々が抱える問題はそれぞれの事情や背景によりますが、大半の場合では自己肯定感の低下や孤立感を感じているなどで、社会とのつながりが薄いことが特徴です。
このような問題を放置し続けることは、それぞれの生活や心の健康にも深刻な影響を及ぼします。
そんな引きこもりの方々に対する支援は日々模索されていて、今回紹介する就労継続支援B型作業所でも仕事を通じた引きこもりの方への新たなアプローチを開始しています。
本記事を通じて、引きこもりの現状と課題、そして就労継続支援B型作業所がどのような支援をしているのか、そのメリットと具体的な仕事内容について理解を深めていただければ幸いです。
引きこもりとはどんな状態?支援の重要性と就労継続支援B型での仕事の優位性について解説!
引きこもりとは、ストレスや不安、人間関係、自己肯定感の低下など、さまざまな理由から学校や職場といった社会的な場に参加せず、自宅で過ごす時間が長い状態を指します。
このような悩みをひとりで抱え込み続けてしまうと、問題は深刻化してしまい、自己肯定感はさらに低下してしまうでしょう。
そこで、引きこもりの方々に対する支援が重要となります。
引きこもり支援のアプローチは、心のケアから生活習慣の見直し、仕事復帰のためのスキルアップなど、幅広く行われます。
その一環として、就労継続支援B型作業所のような福祉施設の利用を検討していく流れとなるでしょう。
下記では、具体的な引きこもり支援の内容と、引きこもり支援を行う施設について解説していきます。
引きこもり支援とは
引きこもり支援とは、引きこもりの方々が自己肯定感を取り戻すため、そして社会とのつながりを再構築するためのさまざまな活動のことです。
具体的には、相談支援、居場所づくり、ネットワークづくり、就労訓練などがあります。
引きこもりの状態の方が初めに向かうべきは精神科や心療内科がおすすめですが、はじめに病院というのはハードルが高いかもしれません。
支援施設ではさまざまな取り組みが行われていますので、まずはそちらを見学してみるのもよいでしょう。
支援施設利用の流れは大まかに下記のとおりです。
- 相談
- 支援計画の作成
- 支援の実施
- 必要に応じて支援計画の見直し
- 3.4を繰り返し継続的に支援
支援施設では安心して過ごすことができるようサポートも行われますので、少しずつ自分の居場所を確立し、社会復帰への道を歩むことができます。
この取り組みと合わせて、病院でのカウンセリングや心理療法といったケアを並行して行います。
引きこもり支援を行う施設
引きこもりの方々を支援するための施設では、社会とのつながりをつくり、社会復帰を目指してもらうためにさまざまなサービスを行います。
また、初めての相談窓口としても機能しています。
- 就労継続支援B型事業所
- 社会福祉協議会・基幹相談支援センター
- 地域若者サポートステーション
このほかにも多数の施設が引きこもり支援を行っています。まずは勇気をもって連絡をとってみてください。
就労継続支援B型事業所
就労継続支援B型事業所は、障害や病気を理由に一般企業での仕事が困難な方に対して、就労の機会や生産活動の場を提供しています。
施設ごとに特色があり、ITや農業の仕事、芸術といったように実に幅広い取り組みが行われているのが特徴です。
自身に合った仕事内容を選択し、引きこもり状態からの脱却を目指せます。特に近年ではITに特化した仕事を取り入れる事業所が増えてきており、選択の幅は広がっています。
気になる仕事内容に取り組んでいる事業所がある場合は、まずそちらの見学をしてみるのもおすすめです。
社会福祉協議会・基幹相談支援センター
社会福祉協議会(通称:社協)は、福祉に関するあらゆる取り組みを行っています。
このうちで引きこもりの方に直接関係するのは、福祉サービスの利用援助や、それにかかわる福祉関係者・福祉施設等事業者との連絡・調整です。
少し難しくなりましたが、気軽に相談してもらえば、横つながりで福祉サービスを紹介してもらえるような場所です。
どこに相談すればいいかわからない場合は、お近くの社会福祉協議会や、その管轄下である基幹相談支援センター(障がいや病気の方の総合窓口)に連絡してみてください。
地域若者サポートステーション
地域若者サポートステーション(通称:サポステ)は、仕事に困難を感じている15歳~49歳の方を対象に就労支援を行っている施設です。
仕事に関する相談や面接指導、就労体験を行うなど、仕事面での総合支援を行っています。適切な仕事の選び方も段階を踏んで教えてもらえます。
引きこもりがちではあるけれどまだ仕事への意欲が高くあるという方は、まずこちらに相談することをおすすめします。
長期的な引きこもりは悪影響だらけ!引きこもり支援のメリットは?
引きこもりが続くとさまざまなデメリットが生じます。
対して、適切な支援があればこれらの問題は克服可能です。
下記では、「引きこもりが続くことのデメリット」と「引きこもり支援で得られるメリット」についてより詳しく解説していきます。
引きこもりが続くことのデメリット
引きこもり状態が長く続くと、身体的にも精神的にも大きなデメリットが生じます。
具体的にどのような問題があるのか見ていきましょう。
- 生活習慣の乱れによる身体への負担
- 二次的精神症状や問題行動
- 社会からの孤立
生活習慣の乱れによる身体への負担
引きこもりが長期化することで初めにみられるのは生活習慣の乱れでしょう。
食事による栄養バランスが崩れると肥満や糖尿病などの生活習慣病を引き起こします。
さらに運動する機会が減り、日光を浴びることもなくなります。そうなると筋力の低下やビタミン欠乏症、骨粗しょう症、心血管疾患などのリスクをぐんと高めてしまいます。
また、不規則な睡眠リズムは精神へ悪影響を及ぼす可能性大。日常生活をより困難なものにしてしまいます。
2次的精神症状や問題行動
不規則な睡眠や内向きで籠りがちな思考が巡り続けることは、更なる精神症状を発症させてしまうこともあります。
うつや不眠症、脅迫症や恐怖症といった自分だけの問題にとどまらず、家庭内暴力といった外に向けた攻撃的な悪影響も懸念されます。
このような状態に陥ってしまえば、日常生活を過ごすこと自体が困難なものとなり、引きこもり状態がさらに長引いてしまう結果になるでしょう。
社会からの孤立
人は社会的な生き物であり、他人との交流は精神面にとって重要なものです。人とのつながりを断つ行為は、自己肯定感の低下や不安感の増長を促します。
引きこもりの原因となってしまったものと向き合うことは辛いことではありますが、社会から孤立することによるストレスは心身を大きく蝕みます。
その結果、より社会への復帰を遠ざけてしまう結果となるでしょう。小さなことからでよいので、他人との交流を励みにし、辛い過去と向き合っていくことが必要です。
引きこもり支援で得られるメリット
引きこもりになってしまった人は、自分の価値がわからなくなってしまったり、社会から孤立してしまい未来が見えなくなってしまったりと、引きこもりの期間にかかわらずたくさんの悩みや不安を抱えていることでしょう。
適切な支援を受けることで、下記のようなメリットが得られます。
- 生活リズムが整う
- 社会とのつながりを持てる
- 自己肯定感が向上する
定期的かつ継続的な支援を受けることで健康的な生活リズムを整えていきます。
自身を受け入れてもらえる環境に身を置くことは社会とのつながりを実感することができるでしょう。
また、支援の内容には福祉サービスによる仕事の提供もあります。仕事をやり遂げることで得られる達成感は自己肯定感の向上にもつながっていきます。
生活リズムを取り戻そう
引きこもりは、長引くほど生活リズムがどんどん乱れてしまいます。ですが、引きこもり支援を利用すれば、生活リズムをしっかりと整えることができます。
就労訓練やカウンセリングといった引きこもり支援は、スケジュールに基づいて行われるので、参加することで日常生活に一定のリズムが生まれます。
また、支援を継続することに不安もあるかと思われますが、経験を積んだ福祉支援員のサポートのもと行われ、利用者の気持ちを一番に尊重した環境で取り組めるので安心してください。
それでも不安が残る場合、相談員や心理士に連絡をとり、自分の状況や不安について話してみてください。1人では解決できないことも、複数人のサポートがあればきっと解決します。
社会とつながろう
社会とのつながりを持つとは、自分自身が社会の一部であることを感じ、他の人や学校・職場での仕事といったコミュニティと関わることです。
引きこもり支援では、そんな社会とのつながりを持つためのサポートを行います。具体的には以下のような支援が含まれます。
- コミュニケーショントレーニング
- 就労訓練
友人や家族、同僚などとの関係性を築き、維持するためにはコミュニケーションスキルや対人スキルが必要です。
このスキルを得るためには単純に知識を得ることも重要ですが、何より経験を積む必要があります。そのためにカウンセリングなどを利用し、プロのもと経験していくことがベストです。
また、就労継続支援B型作業所などで取り組まれる就労訓練も大切な要素。仕事の環境は個人の状況に合わせ融通がききますが、社会とのつながりを考えた場合、一定のコミュニケーションは必要でしょう。
訓練と思い、引きこもりからの回復と自立にむけたステップとして取り組まれるとよいのではないでしょうか。
自己肯定感を高めよう
自己肯定感とは、自分の価値を認め肯定的に捉えることです。自己肯定感を高めるためには、自分自身の能力や価値を認識し、自分の意見や感情を大切にしなくてはいけません。
自己肯定感が高い人は、自分の強みや弱さ、価値を理解しています。そのため、失敗や批判に対しても耐性があり、それを成長のためのチャンスと捉えることができます。
自分の強みは何かと聞かれても、あまり出てこないかもしれません。なのでまずは、自分の弱さに目を向けてみてはどうでしょうか。
これは決して否定的な意味ではなく、自分がどのようなときに悲しみや怒りといった負の感情を抱くかを知るということです。
自分の弱みがわかると、次は対策が打てます。簡単に言えば、同じことを繰り返さないということです。
そうして負の感情を感じることが少なくなると、自然と自分の強みにも目が行くようになるはずです。
自分を理解するために、カウンセリングなどを通してこのようなことを繰り返し考えていくと、自己肯定感を感じやすくなります。
引きこもり支援として就労継続支援B型事業所の利用をおすすめする理由とは?実際に取り組まれている作業から仕事の見つけ方まで紹介!
引きこもり支援で就労継続支援B型作業所をおすすめする理由のひとつとして、仕事の幅が広いことがあげられます。
作業所と聞くと農業や内職ばかりしているイメージが強いのではないでしょうか。
しかし実態はそんなことはありません。
最近ではITに特化した仕事に取り組む就労継続支援B型作業所も増えてきています。
具体的には、下記のような仕事内容です。
- eスポーツやゲーム配信
- Webライティング
- データ入力
今はやりたいことを仕事にできる時代です。
自分にあった仕事ができるよう、就労継続支援B型作業所を利用してみてはいかがですか。
それでは、実際に取り組まれている仕事内容についてより詳しくみていきましょう。
eスポーツやゲーム配信
eスポーツやゲーム配信は、ゲームが好きな人にとっては楽しみながら仕事をすることのできる絶好のチャンスです。
eスポーツとは、コンピュータゲームで行う対戦をスポーツとしたものを言います。
近年ではかなりの人気ぶりで、プロのeスポーツ選手はニュースにも名前がでたりしています。
就労継続支援B型作業所でもeスポーツには力を入れており、チームを作って日々トレーニングを行っています。
さらに、ゲーム配信を行うことで仕事としての収益化を目指します。
そのためには一定のパソコンスキルや動画編集のスキルが必要となりますが、これらのスキルも就労継続支援B型作業所での仕事を通じて習得可能です。
Webライティング
Webライティングとは、簡単に言ってしまえばインターネット上にある記事を書く仕事です。
Webライティングの技術を身につけることができれば、記事執筆だけでなく、商品レビューやSNSの運用など、さまざまな仕事ができるようになっていきます。
パソコンやスマートフォンをさわることが好きな方であれば、特に苦手意識をもつことなく取り組めます。さらに、将来的にはパソコン1つで好きな場所で仕事をすることが可能です。
データ入力
データ入力は、パソコンを使って情報を整理する仕事です。
こちらの仕事内容は企業からの依頼によって多岐にわたります。
例えば、手書きの情報をひたすらパソコンに入力していく仕事や、録音された音声を文章に起こしていく仕事などがあります。
求められるのは正確性とスピードですが、初めのうちは簡単な仕事内容から取り組むことも可能です。徐々にスキルアップしていくことで自身の成長を実感できます。
引きこもりから自立へ!ITスキルを身につけて仕事をしよう!
就労継続支援B型作業所では、将来的に在宅で仕事をすることができるスキルを身につけられることを上記で紹介しました。
データ入力やWebライティング、プログラミングにWebデザインなど。多くのIT系の仕事はリモートワークが可能で、自宅にいながら自分のペースですすめることができます。
ただし、新しい知識とスキルを身につけるためには時間と努力が必要です。また、IT系の仕事は常に進化しつづけています。
それらに対応していくためには、継続的な学習と自身のアップデートが必要不可欠です。その感覚を身につけるために適切な環境なのが、就労継続支援B型作業所です。
新たな仕事を学び自己改善に取り組む姿勢は、いつか必ず自分の価値を高め、自己肯定感を高めてくれます。
ITスキルを身につけて自立し、自信をもって仕事をしてみませんか。家にいながらでもその夢が叶う可能性が就労継続支援B型作業所にはあります。
さいごに|引きこもりで悩んでいる方は就労継続支援B型ワークスペースクローバーへ!
本記事では、引きこもり支援について、また就労継続支援B型作業所で取り組まれているIT系の仕事について解説しました。
引きこもりにはさまざまな理由がありますので、まず1番は無理をしないでほしいと考えています。
就労継続B型作業所では好きなことを仕事にし、安心して取り組める環境づくりに務めています。
興味のある仕事があれば、ぜひ気軽に連絡をとってみてはいかがでしょうか。
京都府京都市内にお住いで引きこもり傾向のある障害者手帳をお持ちの方、就労継続支援B型作業所ワークスペースクローバーの作業内容に興味があればぜひ、下記の入力フォームからお問い合わせください。
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